一般社団法人経済産業調査会の発行する月刊誌「LIETE LETTER」に、これまで3年にわたり、青山学院大学特別招聘教授・石田正泰先生とリレー執筆を続けて参りました。このたび、その原稿をベースにし、またその拡張をはかった内容にて、石田教授との共著により、「企業経営に資する知的財産-技術力、知財力、人間力で創造する-」を経済産業調査会より出版致しました。
mission
当研究所は、知的財産(Intellectual Property)の経済的・経営的意義を確認し、
さらにはその社会全体に対する「価値」を向上させることに資することを使命としています。
知的財産は、ともすれば競争原理を支える資源として注目されがちではありますが、
むしろ知的財産とは人類と地球、さらには宇宙と人間をつなぐ神秘的な、公的資源と言ってもよいかも知れません。
そうした資源について、経済や経営といった、限定的ながらも知的財産制度の趣旨にもっとも近い切り口から紐解き、
社会にとって価値ある適用の方向性を探索していきます。
activity & service
企業における知的財産の資産価値、知的財産のマクロ経済的価値・社会的価値(アウトカム・バリュー)、技術の業界での位置づけ等に関して、実態調査、データ等に基づいた実証的分析を行い、その結果や分析者の解説を論文やレポートとして発表します。
知的財産の価値評価、知的財産にかかる経済分析、知的財産マネジメント論などに関して実務家、企業幹部などに対する講演、レクチャーを行い、人材育成をサポートします。
アジア各国における知的財産の経済的活用に向けたサポート、そのための人材育成、情報提供、調査・分析支援を行い、アジア各国との友好につなげていきます。
topics
例年の通り、今年も、発明推進協会APIC(Asia Pacific Industrial Property Center)の主催により、同センターにおいて、ブラジル(2名)、ブルネイ(1名)、カンボジア(2名)、インドネシア(1名)、マレーシア(3名)、メキシコ(2名)、フィリピン(2名)、タイ(3名)、ベトナム(1名)からの参加者に対して、オンラインによる研修講師を勤めました。
知的財産の評価は、日本では比較的よく知られた世界であるが、こうした諸外国では未知の世界であると言われています。
皆さん、日頃、馴染みの少ない用語(DCF、キャッシュフロー、Discount Rate、Business Valueなど)に四苦八苦しつつも、一所懸命に聴講いただきました。
自身、久しぶりの英語でしたが、なんとか意思疎通ができました。
研修内容を覚え込むのではなく、イメージを把握していただくことに重点を置いた研修にしました。
笑顔に囲まれながら、国際交流としてもよい経験をさせていただきました。
武蔵野大学で、「IT関係法」の講義を夜間に担当されている赤松耕治先生のご厚意により、同授業の学生の皆さん約20名に講義をさせていただく機会に恵まれました。赤松先生は、農林水産省の事務官ですが、同省の良心と言っていい方です。
テーマは、「これからのIT社会における知的財産の経済的意義」というものにしましたが、実際は、より広い内容のお話しとさせていただきました。
「知的財産とは?」 「イノベーションとは」 「真の情報とは」 「AIとどう向き合うか」といった、バラバラの内容でのお話しさせていただきました。
久しぶりに若い方たちと接する機会に恵まれ、エネルギーのあふれる教室で、1時間40分間、目一杯楽しい時間を過ごさせていただきました。
学生諸君からは、
時代の中で何か確たるものを掴みたい!
そのヒントは? 何か?
自分と社会との接点はどこにあるか?
自分は、どう生きていけばいいのか?
といったような目線で、講義の内容を聞いて下さったように感じていました。
以下に、当日の講義のプレゼン内容を添付します。
例年実施している、日本弁理士会主催による、弁理士会員向けの研修「知的財産の価値評価 理論編・実践編」を2日にわたり実施しました。オンライン方式で、全国各地の弁理士の先生にご参加いただき、技術的資産を中心とした知的財産評価の手法と、具体的な事例研究を実施しました。定員35名に対して、120名ほどの応募をいただき、ご参加いただけなかった弁理士先生もたくさんおられました。引き続き、ご希望の先生に受講いただけるよう、研修を継続してまいりたいと思います。
左の写真は、PCに向かって解説をさせていただいている私です。
日本弁理士会にて、弁理士会員対象に知的財産評価の実践研修講師を実施
令和4年度としては3回目の研修になります。
定員35名に対して、5倍ほどの申し込みがあり、多くの弁理士方に次回以降の研修までお待ちいただくこにとなりました。
4時間の研修のうち、2時間を理論編、2時間を事例研究編として、事例を通して技術を中心とした知的財産評価を学んでいただきました。
テキストは、下記のPDFファイルをご参照ください。
第17回JPO/IPR研修の講師を担当する
2017/12
APEC地域を中心とした各国からの派遣人材に対する研修が、特許庁の主催により行われました。 今回は、ブラジル3名、カンボジア1名、インド5名、インドネシア2名、ケニア1名、ラオス1名、マレーシア2名、メキシコ2名、ミャンマー2名、フィリピン2名、シンガポール2名、タイ3名、ベトナム2名の合計27名の研修生(各国で知的財産の実務を担う専門家)に対して、"Valuation of Intellectual Property-Focusing on technological IP-"というタイトルでの講演を行いました。 午前中は、評価実務に関する理論的な説明を、午後にはケーススタディを用いてエクセルによる評価の実践を経験していただきました。
「知的財産権の管理マニュアル」第一法規株式会社より、追録80~87号が発刊されました。この第7編「研究開発における知的財産権管理」を執筆担当いたしました。
2017/12/8
フィリピン知的財産庁とAPECによるジョイントワークショップに参加し、APEC各国の皆さんと、知的財産を活用した経済促進、資金調達方法等について議論し、講演を行ってきました。
2017/9/30
2017年9月27日~30日にかけて、「知的財産評価方法の確立と、それに基づいた知的財産の経済的活用促進」に向けたワークショップが開催されました。この会議は、7月12日~14日に開催された会議の第二段階のもので、ここで集約された情報を基に、今後、APEC各国の知的財産評価を行う実務家のための評価マニュアルが作成される予定です。
日本からは私こと石井と、豊崎国際特許商標事務所の豊崎先生がそれぞれ講演を行い、日本での知的財産評価の事例紹介を行いました。
こうした取り組みを通して、「知的財産」というものに対する多様な認識がAPEC各国で進められ、それぞれの国における知的資源の活用のあり方に対する整理がなされ、それが各国の平和な発展に資することを祈念したいと感じました。
この会議の準備を取り仕切ってきた、Mr. Alan Gepty(写真の前列右から4人目)がこの会議終了をもって特許庁を去り、別の政府機関に移動することになります。Gepty氏の別れの挨拶と、準備に頑張ってくれたスタッフたちに対する賞賛の言葉を聞いた当スタッフの皆さんが、みな感涙していたのが印象的でした。惜別と感謝への感涙だったのでしょう。フィリピンの皆さんの感受性の高さに感動を覚えるとともに、大きな親近感を感じる会議でもありました。
特許庁からの委託により、一般社団法人発明推進協会が主催する「特許専門実務者コース」研修において、アジア太平洋各国からの研修生に対して、"Intellectual Property Asset Value"と題する講演を実施
2017/9/5
ブラジル3名、インド5名、マレーシア3名、ペルー2名、フィリピン2名、タイ4名、ベトナム3名の計22名の海外からの研修生に対して、事業価値及び技術資産の評価理論と、事例を用いた評価の流れについてレクチャーしました。ディスカウンティド・キャッシュフロー法の流れから、その転用による複数の評価法への展開について解説をしました。
大手メーカーが、新興企業を買収し新たな事業展開を行うにあたり、買収への投資可能な額を被買収企業の資産価値を算定・鑑定を行う。
2017/9/2
APEC IP Valuation, Financing and Leveraging Workshop (at Manila, Philippines) にて講演およびワークショップ取り纏め
2017/7/12
フィリピン特許庁とAPECの共催により、APEC各国からの代表者が一堂に会し、APEC諸国向けの知的財産評価マニュアル作成に向けた会議が開催されました。この会議では、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、パプア・ニューギニア、ロシア、メキシコ、チリ、ペルーなど11ヶ国から65名の政府機関、知的財産庁、法律事務所、コンサルタント事務所などの関係者が集まり、知見の交換が行われました。
3日間で、「知的財産評価の基本と本質的位置づけ」について、また「知的財産評価の具体的あり方」について、2回の講演を行うとともに、マニュアル作成に向けた方向性についてワークショップをリードいたしました。
特許庁委嘱・知的財産権テキスト「知的財産の価値評価について」を執筆・特許庁ホームページにて公開開始
2017/4/4
特許庁は、1996年度からアジア太平洋地域、南アメリカ、アフリカ地域の途上国等に対する人材育成事業の一環として、短期・中期での研修生の招聘、長期研究生の招聘を行い、2016年度までの20年間で5534名の途上国研修生の知的財産研修を実施していただきました。こうした支援活動で活用されてきた各種テキストを作成し、広く支援国の皆さんに活用いただくことを意図しています。
今回、これまで発明推進協会にて実施してきましたセミナー「知的財産の価値評価」で指導してきた内容を、テキストとしてまとめ、その内容が特許庁のホームページに掲載されました。該当テキストは下記URLに掲載され、この中の最下段に最新テキストとして、No.65に掲載されています。
<掲載URL>
日本語:https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/developing/training/textbook/document/index/Valuation_of_Intellectual_Property_JP.pdf
英語: https://www.jpo.go.jp/e/news/kokusai/developing/training/textbook/document/index/Valuation_of_Intellectual_Property.pdf
IP経済研究所の公式開設 2017/4/1
国内大手企業からの特許評価に関するコンサルの依頼を受け、指導等を行う。
2017/3/22
国内の業界最大手企業から、とある企業に属する特許権に関して、とある専門家作成の評価鑑定書について、その妥当性等につきコンサル依頼を受け、鑑定書の内容を精査し、その問題点等を指摘のうえ、今後の意思決定の方向性につき、文書にてご提案しました。
ミヤンマー、教育省・知的財産課(IP Section, Ministry of Education of Myanmar)主催のワークショップにてにて、知的財産と国の経済発展について講演
2017/2/15
ミャンマーでは、2017年8月現在、知的財産制度の創設に向けて同国教育省・研究開発局・知的財産課が中心になり、法律制定、知的財産庁設立の準備が進められています。この整備には、日本からの多大な支援がなされています。ミャンマー教育省・研究開発局の要請により、同国の各省庁の職員を対象に、知的財産とは、知的財産制度は何かについて解説するとともに、知的財産制度の整備を行うことがミャンマーの国にとってどのような経済的意義を持つのかについて、近隣諸国の歴史的な事例、学術的などの分析をもとに解説を行いました。
一般社団法人 発明推進協会、アジア太平洋工業所有権センター主催による、平成28年度JPO/IPR研修「知財マネジメント」コースにて、「知的財産資産価値の評価」の講師を務める。
2016/12/13
“Valuation of Intellectual Property-Focusing on technological IP-”というタイトルにて、アジア・太平洋各国からの研修生に対するセミナー講師をつとめ、知的財産(特に技術)評価の考え方、具体的な評価方法、評価の手順等について指導を行いました。その他、内容は2016年9月2日の研修とほぼ同様です。
2016/11/28
ベトナム、科学技術省の下部組織、NATIONAL TECHNOLOGY INNOVATION FUND(通称はNATIF。ベンチャー投資、育成を行うための機関)が、NATIF職員、関係省庁職員、大学研究者等を対象として開催したセミナーにおいて、日本のベンチャー投資に関するシステム、投資の実態、さらに技術評価の進め方に関して、講演を行いました。
2016/09/02
“Valuation of Intellectual Property-Focusing on technological IP-”というタイトルにて、アジア・太平洋各国からの研修生に対するセミナー講師をつとめ、知的財産(特に技術)評価の考え方、具体的な評価方法、評価の手順等について指導を行いました。午前中に、理論と実践に関するプレゼンテーションを行い、一通りの知識の修得を行い、午後の部では研修生全員にパソコンを提供し、具体的な事例に基づいて、評価の流れを体感していただきました。技術の価値、事業価値の評価においては、将来の事業予測が求められ、シナリオ法による予測のみならず、乱数発生によるシミュレーション法についてまで、具体的にパソコン上で実体感できる実践研修を実施しました。特に、アジア各国の研修生からは、自国で実施するワークショップで再度、セミナー実施の際に講師依頼したいとの申し出を多くいただきました。
「企業経営に資する知的財産」を出版
2016/7/1
一般社団法人経済産業調査会の発行する月刊誌「LIETE LETTER」に、これまで3年にわたり、青山学院大学特別招聘教授・石田正泰先生とリレー執筆を続けて参りました。このたび、その原稿をベースにし、またその拡張をはかった内容にて、石田教授との共著により、「企業経営に資する知的財産-技術力、知財力、人間力で創造する-」を経済産業調査会より出版致しました。
2部構成となっており、第1部「事例・実証編」を私・石井が、第2部「理論体系編」を石田教授が執筆し致ました。技術力に代表される知的財産と企業経営・経済と、人との接点を見つめることを意図して執筆したものです。
IP経済研究所の業務開始
2016/5/10
research institute
IP経済研究所 開設 2016/05/10
代表者 石井 康之
著書名
発行所
発行年月
知財ライセンス契約の法律相談 共著
青林書院
2008年7月
知的財産の経済・経営分析入門 単著
(株)白桃書房
2009年3月
知財戦略の教科書 共著
(株)秀和システム
2013年3月
知財のビジネス法務リスク 共著
(株)白桃書房
2014年10月
企業経営に資する知的財産 共著
(一財)経済産業調査会
2016年6月